朝、我が子の体が熱い。
体温計で熱を測ってみると、やっぱり熱がある。
「あぁ……ついに来たか…。」
子どもの体調が心配なのはもちろん。
でも、フルタイム教諭の私は、それと同時に「今日の仕事をどうするか」「我が子を預けられる場所はあるか」など、ものすごい勢いで考え始めている自分がいました。
今日は休める? いや、クラスの子どもたちが待っている。夫は? ……期待できない。
じゃあ、病児保育は?
今日、枠は空いてるかな……。
仕事復帰したての頃、こんな朝を何度も経験しました。
我が子が熱を出すたびに始まる、仕事に行けるかどうかの綱渡り。
今回は、そんな私が頼っていた病児保育と、今でも忘れられない当時の経験についてお話しします。
子どもが熱を出しても、簡単には仕事を休めなかった
第一子が1歳半のとき、私は幼稚園教諭としてフルタイム勤務に復帰しました。
4月からいきなりクラス担任。
幼稚園の先生って、子どもたちが登園してきたら、そこからはもうノンストップなんですよね。
自分のクラスには、毎日たくさんの子どもたちがやってきます。
担任の私が突然休むとなれば、ほかの先生にクラスをお願いしなければならない。
もちろん、我が子の病気で仕事を休むこと自体は悪いことではありません。でも当時の私は、簡単には休めないという思いがとても強かったんです。(何せ職員数が少ない園でしたし、担任だったから)
そして、もう一つ。
我が家には、夫に子どもの看病を任せるという選択肢が、ほとんどありませんでした。
「今日は俺が診るから、仕事に行っておいで」
そんなこと、一度も言ってもらった記憶がないんですよね。
子どもが熱を出したら、誰が病院に連れていく? 誰が仕事を休む? どうやって一日を乗り切る?
それを考えるのも、手配するのも、全部私。
だから私は、仕事復帰前から病児保育を利用できるように準備していました。
頼みの綱は、定員わずか4人の病児保育
私が利用していたのは、病院に併設された病児保育室でした。
病児保育というのは、病気や病気の回復期にある子どもを、家庭で看病できない事情があるときに、一時的に預かってもらえるサービスです。
これが、当時の私にとっては本当にありがたい存在でした。
ただし、大きな問題が一つ。
預かってもらえるのは、1日たったの4人!
そう。たった4人なんです。
朝、子どもが熱を出していることが分かると、まずは病児保育の予約を取らなければなりません。
予約受付の時間になったら、速攻で電話。
お願い、つながって……!
無事につながって、まだ空きがあれば預かってもらえる。でも、すでに4人埋まっていたら、その日はアウト。
もう、毎回ヒヤヒヤでした。
幸い、私の場合はほとんど預かってもらえた記憶があります。
でも、予約が取れるかどうかで、その日の仕事の段取りが全部変わってしまう。
子どもが熱を出すたびに、まるで綱渡り。
あの朝の緊張感は、今でも忘れられません。
泣き叫ぶわが子を預け、職場へ走った朝
そして、病児保育の予約が取れたら一安心……とは、ならないんですよね。
今度は、熱を出してしんどそうにしている子どもを、病児保育室へ連れていかなければならない。
ただでさえ体調が悪いのに、いつもの保育園とは違う場所に預けなければならない。
「ママーーーーー!!」
泣き叫ぶわが子。
見たこともない、知らない環境にしんどくて不安でたまらない時に、おいて行かれる子供。
そんな我が子を、病児保育の先生にお願いして、その場を離れなければならない自分。

もうね……。
自分の子供が病気で苦しんでいる状態なのに、それを人に預けて仕事に行かなければならないっていう苦しさ、辛さといったら、もう何とも言えない。言葉にならない、あの気持ち。
そんな時、自分も罪悪感で泣き出しそうな思いで職場に走る。
すでに出勤時間は過ぎているので、一刻も早く到着しなければならない。
車を飛ばして勤務先の幼稚園へかけつける。
職場には「これくらい遅れるので、それまでのフォローお願いします」って連絡もいれてから向かってるけど。。。
運転中も、母親と一緒に居たいのに、置いて行かれた我が子の姿が頭から離れない。
自分も今の状況の苦しさに、涙が溢れそうになる。
でも、
もう仕事モードに切り替えなければならない。
母親としての気持ちを、いったん心の奥にしまい込んで。
30分後、私は笑顔で子どもたちを迎える先生になった
そして、ここからがまた、何とも言えないところなんですが…。
ついさっきまで、病気のわが子を預けて、自分も泣きたいくらいの気持ちだった私。
それなのに、30分後には……。
「おはようございまーす!^^」
笑顔で、自分のクラスの子どもたちを迎えている。
今度は、私が子どもたちを受け入れる側。
幼稚園に登園してくる子どもたちにとって、私はいつもの担任の先生です。
私が朝どんな思いをしてきたかなんて、子どもたちには関係ありません。
目の前の子どもたちを、安心して迎えてあげたい。
だから、笑顔で接する。
でもね、ふと思うんです。
さっきまで「ママーーー!」と泣き叫ぶわが子を預けていた私が、今度はよその子どもたちを笑顔で受け入れている。
何なんだろう、この状況は……って。
母親としての私と、幼稚園教諭としての私。
どちらも私で、どちらも大切。
でも、その二つの役割の間を、ほんの短い時間で切り替えなければならない毎日は、本当に過酷でした。
それでも私は、母であり、先生だった。
あの頃は、そんな日々を乗り越えるしかなかったんです。
子どもの急な発熱に備えて、復職前に確認しておきたいこと
さて、ここからは少し実用的なお話を。
私の経験から、これから仕事復帰するお母さんにぜひ伝えておきたいことがあります。
病児保育は、元気なうちに調べておく
私が仕事復帰前にやっておいてよかったことの一つが、病児保育の利用登録です。
子どもが熱を出してから、預けられる施設を探して、登録して、利用方法を確認して……では、間に合わないこともあります。

ただ、病児保育は地域や施設によって仕組みがかなり違います。
電話予約のところもあれば、Web予約に対応しているところもあります。事前登録や医師の診察・連絡票が必要な場合もあります。
だから、まずは自分の住んでいる地域で、どんな施設が利用できるのかを確認しておくのがおすすめです。
事前に確認しておきたいこと
- 利用登録の方法と必要書類
- 予約の方法と受付開始時間
- 当日予約やキャンセル待ちができるか
- 利用できる年齢や症状、受け入れ人数
- 医師の診察や連絡票が必要か
- 開所時間、料金、持ち物
- 予約が取れなかった場合の代替手段
お住まいの自治体の公式サイトで「〇〇市 病児保育」と検索すると、利用できる施設や案内が見つかると思います。
なお、病児保育は予約が取れても、子どもの症状などによって利用できない場合があります。必ず各施設の最新の利用条件を確認してくださいね。
※保育園と同様に、こちらにも1日過ごすためのグッズ(着替えやおむつ、タオル、お布団)が必要。。普段からそれもイメージして多めに整えておくことをお勧めしま~す!
病児保育に預けられない日のことも考えておく
病児保育は、本当にありがたいサービスです。
でも、必ず預けられるとは限りません。
私が利用していたところも、定員はたったの4人。
もし予約が取れなかったら?
そのとき、誰が仕事を休めるのか。勤務時間を調整できるのか。頼れる家族やサービスはあるのか。
そして、子どもの体調によっては、家で看病する必要があることもあります。
「病児保育に登録したから大丈夫」ではなく、「預けられなかったらどうする?」まで考えておく。
ここは、復職前に夫婦で話し合っておきたいところだと思います。
仕事も子どもも大切だからこそ、働き方を考えたい
今振り返ってみると、本当によくあんな毎日を乗り越えていたなと思います。
仕事を休めない。
でも、病気の子どもを預けるのはつらい。
どちらの気持ちも本当でした。
そして、あの頃お世話になった病児保育の先生方には、今でも感謝しています。
あの場所がなかったら、仕事を続けることはもっと難しかったと思います。
ただ、今の私が当時の自分に声をかけるなら、こう伝えたいです。
もっと頑張る方法だけじゃなくて、自分が無理をしなくても続けられる方法を考えてもいいんだよ、って。
仕事も大切。子どもも大切。そして、自分自身だって大切。
全部を一人で背負って、何とかしようとしなくてもいい。
自分たちの生活に合った働き方を、探していってもいいんですよね。
私が育休復帰後、フルタイム勤務と子育ての両立で経験したことは、こちらの記事にもまとめています。
関連記事: 育休明けのフルタイム復帰はきつい?1歳半の子を預けて働いた私の体験談
あの頃の私と同じように、仕事と子育ての間で悩んでいるお母さんに、少しでも参考になればうれしいです。

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